「総論」
ネット上の様々な言動を見ていると、それらは熟慮性の低さからくるものだと思えるので知識をまとめることにした。
「熟慮型 システム2を使うのが比較的得意」
・じっくり考える。
・思いついた答えをそのまま受け入れたり、口に出しにくい。
・推論が必要な場合は慎重に対処しミスしにくい。
・文章に意味があるのか見分けやすい。
・衝動的でない。
・説明深度の錯覚を起こしにくい。
・詳しく説明されているのを好む。
「直感型(浅慮型)システム2を使うのが比較的苦手」
・直感に頼りやすい。
・思いつた答えをそのまま受け入れたり、口に出しやすい。
・推論が必要な場合は慎重に対処せず直感に頼りやすい。
・文章に意味があるのか見分けにくい。
・衝動的である。
・説明深度の錯覚を起こしやすい。
・詳しく説明されているものを好まない、単純に説明されたものを好む。
「熟慮性を測るCRTテスト」
CRTテストは3題からなるテストで熟慮性を測定する。
〔問1〕(間違った)
バットとボールで合計1ドル10セントである。
バットはボールより1ドル高い。ボールはいくらか。
条件反射的に10セントという答えが出やすい。
もしボールが10セントであれば「バットはボールより1ドル高い」という条件によりバットは1ドル20セントになり、バットとボールの合計で1ドル10セントという条件を満たさない。仮に条件反射的に10セントと考えても、それが正しいのか再考すれば10セントではおかしいと気づくはず。そして調整して5セントと気付ける。答えは5セント。
方程式を使うとこうなる。
ボール ? →x
バット ボールより1ドル高い →x+1ドル
ボールとバットの合計 1ドル10セント →x+(x+1ドル)=1ドル10セント
=2x+1=1.1
=2x =1.1-1
=2x =0.1
=x =0.1/2
=x =0.05 →5セント
〔問2〕(正解できた)
湖面にスイレンの葉が並んでいる。その面積は毎日2倍になる。48日で湖面全体がスイレンの葉で覆われるとすると、湖の半分が覆われるまでには何日かかるか。
「24日」という答えが出やすい。しかし条件をよく見ると1日で面積が倍になるから、最終日の一日前が湖の半分が覆われる日である。答えは47日目。
〔問3〕(正解できた)
5台の機械を五分間動かすと、製品が5つできる。100台の機械で100個の製品を作るには、何分かかるか。
100分という答えが出やすい。
「5台の機械を5分動かすと5つ製品ができる」ということは
「1台の機械を5分動かすと1つ製品ができる」ということだ。
したがって「100台の機械で100の製品を作るには5分必要」だ。
「ソーシャルメディアで見かける熟慮性が低い行動」
・ポストをよく読まずに反応する。
(よく読んで誤解する場合は読解力の問題)
・リンク付きの場合、リンク先を読まずに反応する。
・リンク先を読んでも、キーワードを拾って適当に理解して反応する。
(よく読んでも誤解する場合は読解力の問題)
・元ポストに大きくズレたリプをする。
(元のポストを誤解する場合は読解力の問題)
・元ポストへの批判として、批判にならない的外れな批判。
(元のポストを誤解する場合は読解力の問題)
・根拠のない主張を真に受ける。
・情報元が不明、あるいは怪しい情報元の情報を真に受ける。
・感情的に強い反応をする。
・よくわからないポストをする(おそらくポストする前に読み返してない)。
・根拠が乏しい思いつきや連想でポストする。
「日常で見かける熟慮性が低い行動」
・感情的な行動。
・衝動的な行動。
・先延ばし。
・社会的に重要でないニュースに反応する。
・個人的に重要でないニュースに反応する。
・実益より感情益を優先する。
・物事の重要性をあまり気にしない。何が重要かより気分や感情を優先する。
・情報を鵜呑みにしやすい。
・多面的に考えない。
・システム思考で考えない。
・線形で考える、非線形で考えない。
・僅かな情報を知るだけで、そのテーマを十分に知った気になる(知識の自信過剰)
など。
「熟慮性を高める」
・情報源があるか、信頼できる情報源か確認する。
・文章は丁寧に読む。(クリティカル・リーディングが望ましい)
・ひらめき、思いつき、連想を真に受けない
→「本当にそうか?」と自分を疑う、代替仮説を立てる。
など
「参考」
あなたは直観型? 熟慮型? 「知ってるつもり」を暴く認知反射テストに挑戦!
考えるのが遅い」けれど「仕事ができる」人になるために、心がけたい4つのこと。