日常使いの反証主義
「反証主義とはなにか」
・ポパーによって考えられた科学哲学の方法論である。
・反証主義の特徴は、正しい知識を見つけるのではなく、
仮説を批判して棄却したり修正する。
複数ある場合は消去法で残った仮説を「まだ反証されてない仮説」と考えること。
「反証可能性とはなにか」
・反証可能性とは、その仮説を否定できるかどうかを表す。
・反証可能性が高い:否定する条件が比較的ゆるい
例えば「明日雨が降る」
明日になり雨が降らなければ反証できる
・反証可能性が低い:否定する条件が厳しい、あるいは存在しない
例えば「神は存在する」
どのような条件があればこの仮説を否定できるのかわからない。
反証が難しい、できない。
「手順」
1.反証可能な仮説を立てる。
2.反証条件を書き出す。
3.仮説が間違っているかどうかを確かめるテスト、調査を設計する。
4.反証できた場合は、仮説を棄却し新しい仮説を作るか、仮説を修正する→「2」
5.反証できない場合は、「(まだ反証されてないという意味で)とりあえず正しい」
と考えて受け入れる。
「例 カラス」
仮説 :カラスは黒い
反証条件:黒くないカラスを1匹以上見つける
テスト :黒くないカラスを探す
結果 :黒くないカラスは実在するので、仮説を修正する。
「カラスは黒いとは限らない」「大抵のカラスは黒い」
「ほとんどのカラスは黒いが、黒くないカラスもいる」など
「例 レシピ」
仮説 :このカレーのレシピ通りに作れば美味しくできる
反証条件:レシピ通りに作っても美味しくない
テスト :レシピ通りに作って食べる
結果 :美味しければこの仮説は手を加える必要はない。
美味しくなければ、仮説を修正する。
「このレシピ通りに作っても美味しくない」など。
「その他」
・自分の考えについて
「本当にそうか?」「反証できないか?」と考え、反証例を調べる
・他人やメディアの意見について
「本当にそうか?」「反証できないか?」と考え、反証例を調べる。
・他人の主張について
「その主張は、どのような条件で間違いだと認めますか?」と反証条件をたずねる。
(その質問に答えられないとしたら相手は反証可能性が低い仮説を述べている)
(アレクサンダーの質問)
「Aという考えを変えるとしたら、どういう反証が必要か?」
「Aという考えを変えるとしたら、どのような条件が必要か?」
「Aという考えを変えるとしたら、どのような時か?」
「Aという考えを変えるとしたら、どんなデータが必要か?」
「反証主義の問題点」
日常使いではそれほど問題とならないので省略する。
興味のある人は「参考」の本をどうぞ。
「参考」