「タクシーひき逃げ問題」
ある街に2つのタクシー会社、A社とB社があります:
A社のタクシーは全体の85%(0.85)、B社のタクシーは15%(0.15)。
ある事故が発生し、目撃者が「タクシーはB社のものだった」と証言。
目撃者の証言の正しさは80%(0.8)。
目撃者がタクシーを誤認する確率は20%(0.2)。
目撃者が「Bタクシー」と証言した場合、実際にそのタクシーがB社のものである確率は?
「誤答」
直感で答えると、目撃証言の正しさは80%なので、
Bタクシーと証言した場合にB タクシーであるのは80%と考えやすい。
「正答+解説」
求めるもの
目撃者が「Bタクシーがひき逃げした」と証言した場合、それが正しい確率
情報整理
・街のタクシー=Aタクシー(85%) + Bのタクシー(15%)
・目撃者「Bタクシーがひき逃げした」と証言(80%の確率で正しい)
・Bタクシー(15%)をBタクシーと正しく認識する確率80%
・Bタクシー(15%)をAタクシーと誤って認識する確率20%
・目撃者がAタクシーを、Bタクシーと誤認する確率20%
・Aタクシー(85%)をAタクシーと正しく認識する確率80%
・Aタクシー(85%)をBタクシーと誤って認識する確率20%
もう一度整理する
1.Aタクシー(85%)を見て、Aタクシーと判断(80%) ←正しい ←今回関係なし
2.Aタクシー(85%)を見て、Bタクシーと判断(20%) ←誤認 ←関係あり
3.Bタクシー(15%)を見て、Aタクシーと判断(20%) ←誤認 ←今回関係なし
4.Bタクシー(15%)を見て、Bタクシーと判断(80%) ←正しい ←関係あり ←
この場合、目撃者はBタクシーと判断しているので
「2」「4」に絞って考える。
1.Aタクシー(85%)を見て、Bタクシーと判断(20%) ←誤認
2.Bタクシー(15%)を見て、Bタクシーと判断(80%) ←正しい ←求める確率
「求めたい現象の確率/全体の確率」
0.15×0.8 /(0.85×0.2)+(0.15×0.8)
=0.12/0.12+0.17
=0.12/0.29
≒0.41 約41%
「なぜ間違いやすいのか?」
1-1直感が「証言の正しさ」に引っ張られる
目撃者の証言が80%正しい(B社のタクシーをB社と正しく識別する確率が0.8)ので、
「目撃者が『B社』と言ったなら、80%の確率でB社だろう」と直感的に考えてしまう。
1-2なぜ間違い?
Bタクシーだと認識するパターンは
・Aタクシー(85%)をBタクシーと誤って認識(20%)する
・Bタクシー(15%)をBタクシーと正しく認識(80%)する
の2つある。
正しく認識80%
誤って認識20%
の2つだけに注目しては、Aタクシー(85%)とBタクシー(15%)という
ベースレートを見落としてしまう。